Helixのフットスイッチ交換

2024/11/10

Helix 改造

2018年ごろからHelixのフットスイッチのチャタリングが気になり始め、LOOPERを使うと開始とストップがチャタリングの影響でON/OFFが正しくできない状態であることが判明していました。

ただLOOPERは普段ほぼ使わないので、SNAP SHOT等の切り替えでは影響しないためとりあえずそのまま使っていたのですが、2019年になってBANKの切り替えスイッチでも発生し、BANKを切り替えると数バンク進んでしまうなど操作に支障が出始め、さらに下段5番目(TAPの左隣)のスイッチの反応が悪くなり、時々切り替えられない状況に。

この位置のスイッチは自分的には踏み間違いが少ないと言うことで、ソロ音を割り振ることが多く仕様頻度が多いのも確か。

それでスイッチがヘタッて来たのもわかるけど、全スイッチをLOOPEで確認してみると全てにチャタリング発生しており、今後その他のスイッチにも反応しないなどの不具合が出ることが予測される。
また各フットスイッチの上に配置されているLCDが1つセグメント切れを発生しており、表示が正しく表示されない不具合も発生しているので、合わせて修理することにしました。

まずは順当にLINE6取り扱いのYAMAHAに問い合わせをしみてました。

ざっくり書くとトグルスイッチ交換だと修理費が10,000円前後+1Keyあたり200円程度の部品代、状況により基板交換の場合は30,000円前後の費用とのこと。またLCD交換の場合は1か所なら16,000円程度、複数個所の場合は24,000円~とのこと。

と言うことで1key+1LCD修理で20,000円~50,000円(PCB交換)の修理費ということになります。

それを確認して、エンジニアの性と言いますか、まずはどのような構成になっているか確認したくて以前Helixを開封し横から覗く状態でKeyの構造は確認済みだけど、今回はしっかりと基板まで外して再確認しました。


まずこの状態でクリップを使ってタクトスイッチの足に手持ちの別のスイッチを接続し、同様な現象が発生するかどうか確認します。
これはシステム側の不具合なのか、タクトスイッチの機械的な不具合なのかまず確認するためです。
試してみると別のスイッチでON/OFFを繰り返してもチャタリングは発生しないため、やはりこれはタクトスイッチの不具合であると判断。
そもそもタクトスイッチは10万回以上のサイクル寿命があるはず。想定通りの使い方ならこんなに早く寿命が来るとも思えないけど、Keyに対して斜めに押したり押している力や時間が大きいと寿命に影響がありますね。

そこでKeyを押す仕組みがどうなっているか確認すると、Line6オリジナルのキーの機構でタクトスイッチを押す構造になっています。


軸が垂直に移動しバネで戻る仕組みで構造上軸がぶれることも無く問題無さそうにみえる。
ただストロークに対してKeyの高さが少し高めで足でグッと踏み込むと大きな押力が働きそうにも思える。
タクトスイッチのスペックでは2N(200g)程度の押圧力で寿命試験をしているので、あまり強い力で押すのも良くないと感じられるが、それが原因かどうかは定かではない。

さて、ここまでわかったので修理に出すか自分で治すかを判断。
タクトスイッチの場合、1個当たり数十円。全部取り替えても12個なので部品代は大したことなく入手も容易。
PCBを見る限りでも作業は自分にとっては簡単で人に頼むようなことでもないので自分でやることにしました。自分はこの道のプロなので問題無いと判断したけど、そうでも無い良い子はマネをしないようにw ま、自己責任でね。


ってことで、タクトスイッチを全交換完了。

さて、課題はLCDなんだけど、LINE6のリペア部品は国内で販売なんてされていないしメーカーも単品では提供してくれない。
さてどこかで扱っていないかと探していると米国ナッシュビルにあるBritish Audio社を発見!
ここにLine6 Helix Footswitch Display部品が販売されています。


入手完了し、サクッと交換してフットスイッチ、サブLCDとリペアが完了しました。